1.はじめに
『シービスケット』は、1930年代のアメリカ大恐慌時代を背景に、心に傷を負った3人の男性と見捨てられたサラブレッドが奇跡を起こす感動的な物語です。
競馬界に足を踏み入れた大富豪チャールズ・ハワード、行き場を失った調教師トム・スミス、そして家族を失ったジョッキーのレッド・ポラードが出会い、シービスケットが次々とレースに勝利する姿を通して、それぞれ復活への道を歩んでいきます。
シービスケットの成功は、混乱の時代に希望の象徴となり、数千万人が応援する奇跡の物語が描かれています。
※この映画は、実話に基づいて制作されています。
「シービスケット(Seabiscuit、1933年5月23日 – 1947年5月17日)は、アメリカで生まれ育てられたサラブレッドの競走馬であり、種牡馬でもあります。1930年代のアメリカ競馬で活躍した馬で、初めはあまり注目されなかったものの、優れた人脈に恵まれてからは順調に成功を重ねるようになりました。最終的には、三冠馬をマッチレースで破るほどの成功を収め、故障後も劇的な復帰を果たして、西海岸で最も重要な競走にも勝利しています。」
(引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)
シービスケットの物語は、「Seabiscuit: An American Legend」(邦題: 『シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説』)として小説化され、ベストセラーになっています。
※本記事の画像は、イメージとなります。
2.シービスケットの物語
物語の中心にいるのは、自動車ディーラーとして成功しながらも、息子を事故で失い、妻とも別れたチャールズ・ハワード。
新たな生きがいを求めて競馬界に入り、野生馬を育てる技術を持つトム・スミスに出会います。
彼はシービスケットの調教師として選ばれ、さらに視力を片目失ったジョッキーのレッド・ポラードもシービスケットの主戦騎手となります。
シービスケットは、身体が小さく見た目は冴えない馬ですが、ポラードとスミスの調教によってその才能を開花させ、レースで数々の勝利を収めます。しかし、その道のりは平坦ではなく、ポラードはレース中の事故で重傷を負い、ジョッキーとしてのキャリアが危ぶまれる事態に。
さらに、シービスケット自身も大怪我を負い、再びレースに復帰できるかが問題となります。それでも、彼らは諦めず、困難を乗り越えて再び大舞台に挑むという感動的な展開が待っています。
3.撮影にあたっての裏話
『シービスケット』の撮影では、リアルな競馬シーンを再現するために10頭のシービスケット役の馬が使われました。走るシーン用の馬、寝るシーンや怒りを表現する馬など、役割に応じて馬が使い分けられました。
さらに、ジョッキー役を演じたトビー・マグワイアは実際に競走馬に乗り、リアルなレースシーンを作り上げました。映画のクライマックスとなるマッチレースでは、当時の競馬界の名騎手クリス・マッキャロンが技術顧問を務め、振り付けを緻密に再現しました。
衣装や美術にもこだわり、当時の雰囲気を忠実に再現。
時代背景をしっかりと伝えるために、特にトビーの勝負服は正確に作られています。
リハーサルには1週間をかけ、競走馬の速さと危険に満ちた実際のレースを忠実に再現するため、技術と努力が惜しみなく注がれました。
4.マッチレースと感動のクライマックス
映画のクライマックスとなる「マッチレース」は、物語全体のハイライトです。
1938年11月1日、ピムリコ競馬場。シービスケットと三冠馬ウォーアドミラルの世紀のマッチレース。
1万5千人の収容人数を遥かに超え4万人の観衆!安い立見席が満員となる!
ジョッキ―のレッド・ポラードはシービスケットを第四コーナーで一度速度を落とさせ、シービスケットと
ウォーアドミラルと目を合わせることで闘争心を沸き立たせる!
一気にスパートするシービスケット!脅威の末脚!
このシーンでは、シービスケットが全力で勝利を目指して走る姿が描かれ、その興奮は観客に強い印象を残します。振り付けが細かく再現され、当時の実際のレースの記録を元に忠実に描かれています。
長めのカットを使用し、昔の映画風の演出を取り入れながら、1930年代の雰囲気を感じさせる仕上がりとなっています。
5.おわりに
『シービスケット』は、ただの競馬映画ではなく、人生の再生と希望を描いた感動的な作品です。シービスケットと彼に関わる人々が、困難に立ち向かいながら成長していく姿は、観客に勇気と感動を与えます。この映画は、大恐慌の時代に多くの人々が希望を見出し、困難を乗り越えていく姿を象徴しており、今なお多くの人々に感動を与え続けています。
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