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「馬」という文字を使用したことわざの意味についての紹介

馬って?

1.はじめに

「馬」という文字を使用したことわざはたくさんあります
例えば、「馬の耳に念仏」や「塞翁が馬」といった言葉があります。
このようなことわざには、馬にまつわるさまざまな意味が込められています。

馬は古代から人間とともに生活し、戦争や交通手段などに欠かせない存在でした。
そこから、人間の性格や行動、出来事などを表現する言葉としても広く使われています。

この記事では、「馬」という文字含むことわざの意味について紹介しています。

2.「馬」を含むことわざって?

2.1 一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う

一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う

一人の人間や一匹の馬が異常行動を起こした場合、周囲の人や馬たちも同様の行動をとってしまうことを表現しています。

これは群集心理学的な現象であり、暴動やパニックなどの集団騒ぎが発生する原因となることがあります。

2.2 馬には乗ってみよ人には添(そ)うてみよ

馬には乗ってみよ人には添うてみよ

馬については、見た目や血統、調教師や騎手の評判などからはわからない面があるため、自分自身が乗ってみなければ馬の良し悪しは分からないということを表現してます。

人との相性や人柄も、実際に共に暮らしてみなければわからないということです。

【類義】馬を相するには輿(こし)を以てし(もってし)士を相するには居を以てす/人には添うてみよ馬には乗ってみよ

2.3 馬の耳に念仏

馬の耳に念仏

馬に念仏を唱えても効果がないということから助けられない状況を表現した、たとえとして使われます。

人がアドバイスや助言をしても、その人が納得しなければ効果がない場合に使われることがあります。また、目の前にある問題に対して、何もできない状況を表す場合にも使われます。

【類義】馬の耳に風/馬耳東風

2.4 老いたる馬は道を忘れず

老いたる馬は道を忘れず

年齢を重ねた馬でも道を覚えていて、迷わずに目的地に辿り着くことを表現しています。

このたとえから、人生経験が豊富な人は、過去の経験を生かして、どのような困難な状況にあっても迷わずに対処できると言われます。
また、代々主家に仕えた者は、主家のために尽くし続けることができるとされています。

【参考】道に迷ったとき、老馬を放ってそのあとからついていったら、正しい道に出ることができたという「韓非子(かんぴし)」の故事」によります。
【類義】老馬の智(ち)/老馬道を知る

2.5 駆け馬に鞭(むち)

駆け馬に鞭

走る馬に鞭を打つことで更に速く走らせるということを表現しています。

比喩的には、既に順調に進んでいる事柄に、追い風を加えて、更に発展的な方向に進めようという意味で使われます。

勢いのあるものに対して、力を添えて、より一層の進展を促すための手段ということです。

【類義】行く馬に鞭/走り馬にも鞭
【英語】A good horse often needs good spur.
(駿馬にもしばしば拍車をかける必要がある)

2.6 汗馬(かんば)の労(ろう)

汗馬の労

馬が懸命に働いて汗をかく様子から、一生懸命努力して働くことを表現しています。

戦場での手柄を立てたり、仕事で良い成果を出したりすることは、「汗馬の労」です。
また、自分自身や他人のために駆け回って苦労することも同様に表現されます。

【類義】犬馬の労

2.7 狐を馬に乗せたよう

狐を馬に乗せたよう

揺れて動いて落ち着かないことを表現しています。

言うことが当てにならず、信頼できないことのたとえです。

2.8 麒麟(きりん)も老いては駑馬(どば)に劣る

麒麟も老いては駑馬に劣る

どんなに優れた人やものでも、年をとって衰えると、それまでの力や能力が失われ、凡人以下になってしまうということを表現しています。

また、麒麟」が優れた馬の代表的な存在であり、「駑馬」が劣った馬の代表的な存在であることから、このことわざは、一流と二流、優秀なものと劣るものの対比にも使われます。

2.9 犬馬(けんば)の心

犬馬の心

犬や馬が主人に対して忠誠心を持ち、命をかけて守ろうとする姿勢のことを表現しています。

この言葉は、人間も同じように、誠実で忠実な心を持って、人や組織に貢献することが重要であることを表しています。

2.10 犬馬(けんば)の齢(よわい)

犬馬の齢

これといった働きもせず、犬や馬のようにむだに歳をとったということを表現しています。

「齢」は、年齢のこと。

【類義】犬馬の齢/馬齢/馬齢を加える

2.11 犬馬(けんば)の労(ろう)

犬馬の労

犬や馬のように忠実に主人のために働くことを表現しています。

犬や馬は人間のために様々な仕事をしてくれますが、自分たちのためではなく、主人のために労働するということが大切です。
このことわざは、犬や馬のように主人のために尽力することが重要であることを表現しています。

【類義】汗馬の労

2.12 塞翁(さいおう)が馬

塞翁が馬

中国の古典に登場する話から生まれたことわざで、「幸か不幸か、あらかじめわからないものだ」という意味を表現しています。

【補足】昔、中国の辺境の塞(とりで)に住む老翁が胡(こ)の国へ逃げてしまった。数か月後、その馬は胡国の駿馬(しゅんめ)を連れて帰ってきた。塞翁の息子はその駿馬を好んで乗ったが、落馬して負傷してしまった。やがて胡の国との間で戦争が起こり若者たちが大勢戦死した。しかし塞翁の息子は怪我のおかげで徴兵を免れ、親子共に生き残ったという故事による。
出典は「淮南子(えなんじ)」


【類義】人間万事塞翁が馬

2.13 死馬(しば)の骨を買う

死馬の骨を買う

本来価値のないものを高く評価したり、無駄なことをして時間や労力を浪費したりすることを表現しています。

しかし、このことわざは逆に、つまらない人やものでも、それを大切にする姿勢を持ち続けることで、結果的に優れた人材や価値の高いものを集めることができるという意味も持っています。
つまり、小さなものや些細なことでも真剣に向き合い、丁寧に扱うことが重要であるということです。

【補足】昔、中国で一日に千里走るという名馬を千金で買いにいった家来が、すでに死んでいたその名馬の骨を五百金で買って帰った。命じた君主は怒ったが、家来は「死んだ馬の骨すら五百金を投じるという噂を聞けば、必ず生きた名馬を連れてくる者が現れるでしょう」と答えた。果たして一年もたたない内に、3頭の名馬が集まったという「戦国策」の故事による。

2.14 将(しょう)を射(い)んとせば先(ま)ず馬を射よ

将を射んとせば先ず馬を射よ

戦闘の際に敵の将軍を狙う場合、まずは将軍が乗っている馬を射ることで、その将軍を動けなくするという戦術を指しています。

そのため、将軍を狙う前にまずは馬を狙うことが重要とされています。

転じて、目的のものを得ようとするなら、その周囲から攻めるのが良策であるというたとえです。

【類義】人を射んとせば先ず馬を射よ
【英語】He that would the daughter win,must with the mother first bergin.
   (娘を得ようと思う者は、まずその母親から始めなければならない)

2.15 千里の馬も伯楽(はくらく)に逢わず

千里の馬も伯楽に逢わず

一日に千里を走る能力の高い馬であっても、適切な手入れや鍛錬を行ってくれる伯楽と出会わなければ、その真価を発揮することができないということを表現しています。

また、このことわざは、能や能力がある人でも、その才能を認めて引き出してくれる人に巡り合わなければ、その才能を十分に発揮することができないということも表しています。
不運な状況にある人々が使う言葉でもあります。

※「伯楽」は中国の春秋時代の、名馬を見分け、御す名人。

2.16 竹馬の友

竹馬の友

幼い頃に、竹馬の乗って一緒に遊んだ仲の良い友人。幼友達。

竹馬の遊びを通じて、一緒に遊んだ友人とは深い絆ができることがあります。そのため、「竹馬の友」という言葉は、幼い頃に遊んで仲良くなった友人のことを表すことわざとして使われます。
また、「竹馬の友」とは、幼少期の友情は永遠に続くという意味も含まれています。

【補足】「竹馬」は、古くは笹竹を適当な長さに切りとり、馬に見立てて股にはさみ、走り回る遊びのこと。
また、足がかりのある二本の竹に乗って歩く遊びのこともいう。

【類似】騎馬の交わり/鳩車(きゅうしゃ)竹馬の友

2.17 駑馬(どば)に鞭(むち)打つ

駑馬に鞭打つ

能力や才能に乏しい人を無理に駆り立てることを表現してます。

のろい馬に鞭を打つことで、進むべき方向に進ませるための努力を表しています。
しかし、駑馬には限界があり、無理な負担をかけるとむしろ進むことができずに疲弊してしまいます

このことわざから能力に合わない人に無理な仕事や負担をかけることは適切ではないという教訓を得ることができます。

2.18 泣いている馬謖(ばしょく)を斬る

泣いている馬謖を斬る

三国志時代の中国の故事に由来しています。
当時、劉備率いる軍において軍師の馬謖が戦略的なミスを犯して失敗し、劉備に責められて斬られたというエピソードがあります。

このことから、「泣いている馬謖を斬る」という言葉が生まれ、自分の愛する者であっても、秩序や規律を守るために必要な処置を躊躇わずに行うことが必要であるという教訓が含まれています。

2.19 馬鹿と鋏(はさみ)は使いよう

馬鹿と鋏は使いよう

切れ味の悪い鋏でも、使い方によっては役に立つことがあるというたとえです。

同様に、頭の良くない人でも、適切な仕事を与えることで、有能な人材になることがあるということです。つまり、人を適材適所に配置することが大切であるという意味です。

2.20 馬鹿に付ける薬はない

馬鹿に付ける薬はない

何を教えても理解できない人に対して使われることが多く、その人がもう少し賢くなるような助言や指導をしても無駄だということを表現してます。

2.21 馬鹿の一つ覚え

馬鹿の一つ覚え

愚かな者はもの事を一つ覚えると、得意になってそれをいつまでも振り回すことを表現してます。

一つの主義や方法などを固守して、他のことを理解しようとしない人を皮肉ったことばです。

2.22 馬鹿も休み休み言え

馬鹿も休み休み言え

しばしばくだらないことを言ったり、空虚なことを話し続けたりする人に対して使われます。

くだらないことをいうのもいいかげんにしろということです。

2.23 馬脚(ばきゃく)を露(あらわ)す

馬脚を露す

芝居で馬の脚を演じる役者が、うっかり自分の姿を見せてしまうことを表現しています。

転じて、隠していた秘密や本性がばれてしまい、その人や物事の本当の姿が明らかになることを表すことのたとえです。ぼろを出すこと。

2.24 走る馬に鞭(むち)

走る馬に鞭

走っている馬に鞭を打ち、さらに速く走らせること。勢いのいいものがいっそう勢いを増やすことを表現しています。

例えば、ビジネスで成果を上げているチームに対して、もっと努力して成果を出すようにと鼓舞するときや、スポーツで勝利をおさめている選手たちに対してもっと自信を持ってプレーするようにとエールを送るときなどに使われます。

【類似】駆け馬に鞭

2.25 馬鹿を重ねる

馬鹿を重ねる

何も成果を上げられずに年を取っていくことを表現しています。

例えば、仕事や勉強に打ち込まずに、何もせずに年だけを重ねていく人のことを言うことがあります。また、同じ過ちを繰り返して改善せずにいる人に対しても使われることがあります。

2.26 風(ふう)する馬牛(ばぎゅう)も相及(あいおよ)ばず

風する馬牛も相及ばず

さかりのついた馬や牛の雌雄は、互いを求めて遠くまで行くが、それができないほど離れているということを表現しています。

風する」は、さかりがつくことです。

転じて、互いに遠く離れていること、無関係れいること、また無関係のふりをすることのたとえ。

2.27 馬子(まご)にも衣裳(いしょう)

馬子にも衣裳

馬子でさえ、立派な衣装を着れば、見栄えがすることを表現しています。

まらない人間でも、外面を飾り立てれば立派な人間に見えるというたとえ。

馬子」は、客や荷物を馬で運搬していた者で、身分の低い者の意。

2.28 名馬に癖あり

名馬に癖あり

名馬は何か癖を持っているもの。優れた能力を持つ人や物には、それを支える独特の個性や癖があるということを表現しています。

例えば、優れたアスリートには技術や能力に加え、自己管理のための厳しいルーティン、あるいはプレッシャーに強い精神力などがある場合があります。また、優れた芸術家には、独特の発想や感性、あるいは才能を生かすための独自の作業環境や方法論がある場合があります。

つまり、「名馬に癖あり」ということわざは、卓越した能力や才能を持つものには、個性や癖があることはむしろ当然であり、それらがその人や物の魅力を引き立たせるということを表しているのです。

【類似】癖なき馬は行かず/名馬に難あり

2.29 竜馬(りゅうめ)の躓き(つまずき)

竜馬の躓き

優れた能力を持った人物でも、時にはつまずいて失敗することがあるということを表現しています。

竜馬は非常に優れた馬であるため、つまずくことはまれですが、たとえ竜馬でも躓くことがあるように、優れた才能を持った人でも、成功の道に進む中でつまずいたり失敗することがあるということを表しています。

このことわざは、失敗をしたときに自分を責めすぎず、次に向けて前向きに進むことが大切だということも教えてくれます。

※「竜馬」は、ずばぬけて足の速い馬。駿馬(しゅんめ)。

2.30 老馬(ろうば)の智(ち)

老馬の智

年をとった馬は、若いときに経験したことから学び、物事の判断力や決断力が優れているという意味を表現してます。

同様に、人間も年をとると経験や知識が蓄積され、物事を見極める力がつきます。

つまり、「老馬の智」は、年齢を重ねた人々の経験や知識が貴重であることを示し、若い人たちにも敬意を払うよう促すことができます。

【類似】馬に道まかす/老馬道を知る

2.31 馬が合わない

馬が合わない

意見や性格などが合わない人同士が一緒にいると、問題が生じることを表しています。

(補足)「馬が合わない」という言葉の由来は、乗馬といわれており、騎手が馬にまたがった時に息が合わないとが暴れるなどしてして落馬させられてしまうことから、このことが転じて、相性が悪い人との関係を「馬が合わない」といわれるようになりました。

3.「馬」を含む英語のことわざって?

3.1 An agreeable companion on the road is as good as coach.

An agreeable companion on the road is as good as coach.

よい道連れは馬車も同然。⇒旅は道連れ世は情け

3.2 A good horse often needs a good spur.

A good horse often needs a good spur.

駿馬(しゅんめ)にもしばしば拍車をかける必要がある。⇒駆け馬に鞭(むち)

3.3 He that would the daughter win,must with the mother first begin.

He that would the daughter win,must with the mother first begin.

娘を得ようと思う者は、まずその母親から始めなければならない。⇒将を射とんとせば先ず馬を射よ

3.4 A horse may stumble though it has four legs.

A horse may stumble though it has four legs.

四本脚の馬も時には転ぶ。⇒猿も木から落ちる。

3.5 It would make a horse laugh.

It would make a horse laugh.

馬も笑うほどである。⇒臍(へそ)が茶を沸かす

3.6 A man may lead a horse to the water.but he cannot make him drink.

 A man may lead a horse to the water.but he cannot make him drink.

馬を水のある所へ連れていくことはできても無理に水を飲ませることはできない。⇒匹夫も志を奪うべからず

3.7 Never rode,never fell.

Never rode,never fell.

馬に乗らなければ、落ちることもない。⇒雉(きじ)も鳴かずば打たれまい

おわりに

馬の文字を含むことわざには、日本文化に深く根付いた多くの言い回しがあります。例えば、「馬子にも衣装」は、庶民でも上流社会の人々と同じように着飾ることができるという意味で使われます。
また、「馬が合わない」という言葉は、人との相性が悪いという意味で使われ、ビジネスや人間関係など、さまざまな場面で役立ちます。

他にも、「馬鹿につける薬はない」、「塞翁が馬」など、多彩な言葉が存在します。
これらのことわざは、日本文化や生活の中でしばしば使われる言葉であり、正しい使い方を知っていると、より深い理解ができるようになります。

※本記事の参考文献
 日向一雅監修「ことわざ」新辞典、高橋書店出版

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