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乗馬のレッスンでよく使われる用語、号令や技術についての解説

乗馬

1.はじめに

乗馬は、馬との協調性や騎乗技術を駆使して楽しむスポーツです。

本記事では、乗馬のレッスンでよく使われる用語や技術について解説します。
乗馬の用語は初めての方にとっては馴染みがないかもしれませんが、扶助舌鼓、埒、蹄跡などの用語を理解することで、騎乗の基礎を固めることができます。
また、レッスンで使われる号令についても詳しく紹介します。整列輪乗り歩度の調整など、騎乗技術の向上に役立つ情報を提供します。

乗馬は楽しみながら安全に行うためにも、適切な知識と理解が重要です。ぜひ本記事を参考にして、乗馬の世界をより深く探求してください。

2.レッスンで使われる用語

2.1 扶助

騎手から馬への意思伝達の手段のことをいいます。

騎手の伝達手段としては拳、騎座、脚を使う扶助(主扶助)と、拍車、鞭、舌鼓(ぜっこ)などを使う扶助(服扶助)があります。

2.2 舌鼓(ぜっこ)

舌を鳴らすことで、馬に注意を促す。

2.3 埒(らち)

馬場の周囲の柵のこと。

埒

2.4 部班

複数の馬が列になり、グループで運動すること

2.5 蹄跡(ていせき)

馬場柵の内側に沿った線のこと。

2.6 手前

馬の左肢が内側になっていれば左手前いい、馬の右肢が肢が内側になっていれば右手前といいます。

【軽速歩】
左軽速歩の場合右前肢と左後肢が着地したとき、騎手は尻を浮かせ立ちます
左前肢と右後肢が着地したとき、尻を鞍に着け座ります。
軽速歩はこの繰り返しとなります。

葦毛馬による左軽速歩

右軽速歩の場合は、左軽速歩の逆となり、左前肢と右後肢が着地したとき、騎手は尻を浮かせ立ちます
右前肢と左後肢が着地したとき、尻を鞍に着け座ります。
軽速歩はこの繰り返しとなります。

2.7 歩度

歩度は、馬のストライドのことをいいます。
完歩ともいいます。

(参考)1完歩は、4足歩行動物の歩幅のことを指す言葉です。なお、人間を含む2足歩行動物の歩幅は「一歩」です。レース中の競走馬は、一完歩は7〜8mと言われている。

【障害馬術】障害馬術では、3.5mのストライドと分速350mの速度で走行した場合、ノーマルな経路のストライドの目安は、以下のとおりです。
  ・1歩: 3.5m(3.6m)
  ・3歩:14.0m(14.0m)
  ・4歩:17.5m(18.0m)
  ・5歩:21.0m(21.5m)
  ・6歩:24.5m(25.0m)
      ※()内は、3.6mのストライドで走行した場合

2.8 反動

馬から伝わる衝撃のことをいいます。
この反動をうまく吸収できれば、鞍の上で跳ね上げられることもなくなります。

2.9 隅角

馬場のコーナーのことをいいます。

2.10 騎座

鞍と接点となる太ももからお尻を指します。
拳や脚と適切に組み合わせることで、停止や発進、減速や方向変換などを馬に伝えます。

騎座のシルエット

2.11 調馬策

長めの引き綱を持った人を中心にして、円を描いて走らせる運動のことをいいます。
この引き綱のことを調馬策といいます。

屋外で調馬策をする光景
屋内で調馬策をする光景

2.12 愛撫(あいぶ)

馬の首や腰を軽く叩き、馬を褒めたり、労うことをいいます。

馬にまたがり、頸に愛撫をする女性
馬に乗り、頸に愛撫をしながら耳元でささやく少女

2.13 移行

常歩、速歩、駈歩といった歩法を、ある歩法から別の歩法に変換することをいいます。歩度変換ともいいます。
馬場馬術競技では、決められた地点で速やかに移行をします。
馬に移行の指示を出す前には、半減脚(1.17を参照)をします。

2.14 内方姿勢

騎手は回転や隅角を通過する際に、馬体を湾曲させ、馬の頭からお尻までが輪線に沿うような体勢をとらせることをいいます。

内方脚(内側の脚)を使って馬を押し出し外方拳(外側の拳)と後ろに引いた外方脚(外側の脚)で抑えることで、馬は馬体を湾曲させます。
この時、内側の脚は通常より15cmほど前に出して6対4程度の割合いで内側に体重をかけます。

2.15 ハミ受け

騎手の手と、馬の口中のハミとの接触を、手綱を介して維持する感触をいいます。

ハミ受けをしたときの馬の口の状態を書いた絵

2.16 屈とう(くっとう)

馬の頸を弓なりに湾曲させたり、輪乗りの円に沿って全身を湾曲させた状態をいいます。

屈とうした馬の状態

2.16 半減脚

馬に次の運動を要求する前に、前もって要求のあることを知らせる扶助のことをいいます。
騎手が馬に速度を落とすような歩度変換を指示して、馬が速歩や常歩などの歩法に変えようとする直前に、またもとの歩法に戻るように扶助するといったものです。

2.18 馬場の名称

馬場の名称を記載した図

2.19 シンプルチェンジ

 駈歩と駈歩の間に常歩を3~5歩入れて手前を変えること。
 ①左手前駈歩⇒常歩⇒右手前駈歩
 ②右手前駈歩⇒常歩⇒左手前駈歩

https://www.equitation-japan.com/updata/File/pdf/Arai/oshirase/SimpleChange130328.pdf

2.20 踏歩変換(フライングチェンジ)

 駈歩をしながら空中で手前を変えること。
 ①左手前駈歩⇒右手前駈歩
 ②右手前駈歩⇒左手前駈歩

2.21 二蹄跡運動

後肢が前肢の蹄跡を踏まないで、半蹄跡以上左右の肢をどちらかへずらす横への運動のことです。

(1)斜め横歩(レッグイールディング)

馬の頭を進行方向とは反対の方向に少しだけ曲げて、馬体はほとんど真っすぐにして、斜め横へ常歩または速歩で進む運動のことです。

(2)肩を内へ(ショルダーイン)

馬が進行方向へ約30度の角度で、全身を騎手の内方脚を中心に屈曲させて、馬の頭を進行方向とは逆に向けている運動です。

(3)腰を内へ

前躯を蹄跡上において、後躯を蹄跡から30度だけ内へ屈曲させ、その状態で進む運動のことです。

(4)腰を外へ

前躯が内側に入って後躯が蹄跡上に残り、その状態で進む運動のことです。

(5)横歩(ハーフパス)

馬体を進行方向へ屈曲させ、外側の肢を内側の肢の前方へ交差させながら、横方向へと進んでいく運動のことです。

  • 出典(参考文献) :千葉幹夫監修.はじめての乗馬.高橋書店,1989年,196p~201p.

3.レッスンで使われる号令

号令をしている絵

3.1 整列

馬場の中で列をつくって並ぶことをいいます。

3.2 順次

先頭に従い、前の馬が通った後を通って同じ運動をすることをいいます。

3.3 各個に(かっこに)

個々で運動をすることをいいます。
この号令がかかったら、各自その場で指示された運動をすること

3.4 全体、止まれ

全員が一斉に停止することをいいます。

3.5 輪乗り

直径20mの円を描いて進む運動のことです。

直径20mの輪乗りの図

3.6 輪乗りをつめ(開け)

輪乗りを徐々に小さく(大きく)していくことをいいます。

3.7 輪乗りの手前変え

同一の輪乗りの円の中で、手前を変えることをいいます。

輪乗りの手前変えの図

3.8 輪乗りを変え

輪乗りから、他の輪乗りへ移り、手前を変えることをいいます。

輪乗りを変えの図

3.9 歩度を伸ばす

リズムを一定に保ちながら、全身を使ってのびのびと歩かせ、馬の歩度を伸ばすことをいいます。

3.10 歩度を縮める(つめる)

リズムを一定に保ちながら、馬をゆったりと歩かせ、歩幅を縮めることをいいます。

3.11 斜めに手前を変えて

馬場の隅角を6m過ぎた地点から、対角にある隅角の6m手前の地点に向かって進み進行方向を変えることをいいます。

斜めに手前を変えての図

3.12 巻乗り

直径10m以内の円を描くことをいいます。

直径6mの巻乗りの図

3.13 半巻き

直径10m以内の円を描き、回転を開始した地点から、半径の3倍(15m以内)の地点に向かって進むことで、進行方向が変わることをいいます。

半巻きの図

3.14 三湾曲(蛇乗り)

三湾曲の図

3.15 8の字

蹄跡から直径6mの円2つを8の字に乗り、蹄跡に戻る運動のことをいいます。

8の字の図

3.16 山形乗り

山形乗りの図

4.おわりに

乗馬の用語とレッスンで使われる号令について解説しました。
これらの知識を身につけることで、騎乗技術を向上させることができます。

乗馬の用語は初めての方にとっては馴染みがないかもしれませんが、扶助や舌鼓、埒、蹄跡などの用語を理解することで、騎乗の基礎を固めることができます。
これらの用語を正確に理解し、乗馬の動作や馬との関係性を深めましょう。

また、レッスンで使われる号令は円滑なコミュニケーションと騎乗の安全性を確保するために重要です。
列や輪乗り、歩度の調整など、号令を実践することで騎乗技術を磨くことができます

本記事を通じて、乗馬に関する知識を深めていただき、乗馬の楽しみが一層広がることを願っています。

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