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ばんえい競馬って?ばんえい競馬の見方、楽しみ方についての解説

競馬

1.はじめに

本記事では、「ばんえい競馬」という独特の競馬競技について紹介します。
ばんえい競馬は、馬とソリが一体となって行われる北海道発祥の競技であり、その迫力とスリルは他の競馬とは異なる魅力があります。

まずは、ばんえい競馬の概要から解説し、さらにレースのポイントやコース、ゴールの仕組みなどについてご紹介します。

また、ばんえい競馬で使われる特殊な用語や馬場状態、負担重量などの要素についても解説します。

さらに、ばんえい競馬の歴史に触れ、北海道開拓の中で発展してきた経緯や公営競馬としての位置づけについても紹介します。

2.ばんえい競馬の概要

第3障害を登る馬達

ばんえい競馬は、ジョッキーを乗せた鋼鉄製のソリを曳く(ひく)ばんえい馬(「ばん馬」ともいいます。)による競技です。

全長200mのセパレートコースで行われ、コースには2つの山の障害があります。
第2障害は第1障害よりも高く設定されており、馬は第2障害前で一旦停止し、息を整えた後に一斉に越えます。
漢字表記は「輓曳」となります。

ばんえい競馬は日本独自の競馬で、かつては北海道の旭川市、岩見沢市、帯広市、北見市の4つの競馬場で開催されていましたが、現在は帯広市のみで開催する地方競馬となっています。
ばんえい競馬の主催は北海道市営馬組合が行っています。
開催期間は4月半ばから翌年2月半ばまでです。

ソリの重さは500キログラムから最大1トンに及び、競技は馬の力と脚力を競うものとなっています。

なお、ばんえい馬は重種馬のペルシュロン、ブルトン、ベルジャンなどを掛け合わせた日本輓系種であり、体重は約800キログラムから1200キログラム前後です。

ばんえい競馬はその独自の競技形式とばんえい馬の力強さで、地域において人気を集めています。

3.レースのポイント

3.1 コースについて

コースの全貌

レースはすべて直線200メートルのセパレートコースで行われます。
コースには高さ1メートルの第1障害と高さ1.6メートルの第2障害があり、これらをスムーズに越えることが勝利への鍵となります。

ゴール前には高さ50センチの上り勾配が設けられてます(「砂障害」いいます)。
第3の障害とも呼ばれ、よりエキサイティングなゴール前の接戦が繰り広げられます。
※ロードヒーティングがはいる冬期間は、この「砂障害」はなくなります(平らな状態にします)。

3.2 出場できる頭数

10頭が入るゲートの写真。右から順番にゲート番号が1,23,・・と振られている。

レースに出場できる馬の頭数は、最大10頭です。

3.3 レース展開

第1障害を越えた馬たちの光景

競技では、ソリを一気に引ききれないため、騎手は休息を取りながら効率的に進む戦略を立てます。
特に第2障害に挑む前は、騎手は馬に息を整えさせるタイミングを計算し、戦術を駆使します。
これは騎手の腕の見せ所となっています。

走行中、第1第2障害間で騎手が止める事(「刻む」といいます)はできますが、第2障害下りてからゴールまでは騎手の意志止めることはできません。

3.4 ゴール

ソリの後端が入りゴールインした光景
ゴールイン

ソリの後端(こうたん)が入ったところがゴールイン、スタートもソリの後端となります。

3.5 セパレートコースの斜行

セパレートコースを超えた斜行はNGで、状況によっては進路妨害とみなされ、順位が降着(例えば1着が5着に下がる)となったりジョッキー騎乗停止となったケースもあります。
キャリアの浅い馬が障害を越えるときに、馬がよれて隣りのコース侵入してしまうケースなどがあります。

3.6 ソリの重さ

ソリの写真

500キロから、最大1トンとなります。

3.61 ばんえい記念

1年を締めくくり、ばんえい最強馬を決めるレースであり、ソリの重さは1トンなります。

これに騎手の目方の77キロ加えた重さのソリ(1トン、プラス77キロ)を馬が曳きます。
なお、騎手の目方は77キロでそろえることになって、足りない分は弁当箱と呼ばれるおもりをそりに積みます。

3.7 馬場状態

ソリが滑りやすい状態ほど時計は速くなります。
最も速いのは雪の馬場で、2分以上かかるところを1分以内で走ることもあります。
このようなレースでは、騎手は休息も取らず馬を走行させるケースもあります。

3.71 水分量

馬場水分2.4%と表示された掲示板

ばんえい競馬では、馬場状態はコースの水分量をパーセンテージで掲示され、3%を超えると十分水を含んだ軽い馬場、1~3%は平均的、1%未満は乾いた重い馬場となります。

馬場水分量の少ない馬場をオモ馬場雨や雪で湿った状態で水分量が多い馬場をカル馬場と呼びます。

馬場水分量が少ない ⇒ソリが重くなり、スピード型有利
【オモ(重)馬場
馬場水分量が多い ⇒ソリが軽くなり、パワー型有利
【カル(軽)馬場】

3.72 オモ馬場

オモ馬場でソリを曳く馬たち

オモ馬場では、ペースが遅くなり、タイムも遅くなります。
同じ重さのソリでも、馬は道中でスタミナを激しく消耗します。

オモ馬場では、騎手は正確なペース判断と仕掛けのタイミングが求められます。
障害にスムーズに挑むためには、馬のスタミナを適切に温存しながら、最適なタイミングで追い込む必要があります。

オモ(重)馬場
・ペースやタイムが遅くなります。
・同じ重量でも道中のスタミナを激しく消耗します。
・正しいペース判断と仕掛けタイミングが求められます。

3.73 カル馬場

カル馬場でソリを曳く馬たち

カル馬場では、ペースが速くなり、タイムも短くなる傾向があります。
同じ重さのソリでも、馬は道中でスタミナをあまり消耗しません。

カル馬場では、騎手はスタミナを消耗せずに前半を進めることが重要です。
なぜなら、スタミナを残しながら障害をクリアすることが容易になるからです。馬が前半の段階で余力を残していれば、後半での仕掛けや追い込みがスムーズに行えます。

騎手はカル馬場でのレースで、正確なスタミナ管理とタイミングの計算を求められます。
スタートからゴールまでの一貫したパフォーマンスが勝利を決める鍵となります。

カル(軽)馬場
・ペースやタイムが速くなります。
・同じ重量ならば道中のスタミナの消耗は少ないです。
・馬が前半の段階で余力を残していれば、後半での仕掛けや追い込みがスムーズに行えます。

3.8 負担重量

負担重量は馬の年齢、性別、開催時期、競走種別によって異なります。
ソリの重さは毎月のように増えていきます。

最低重量は2歳馬の480キロであり、最高はばんえい記念の1トンです。

2歳馬はデビュー時に480キロからスタートし、開催回数に応じて増量していきます。
翌年3月の最終開催時には550〜580キロの重さを曳くことになります。

3歳と4歳の馬も同様に増量されます。
最終開催時の重量は660〜670キロになります。

5歳以上や3歳・4歳の上位馬は、クラスや開催時期によってばんえい重量が600〜740キロの範囲で設定されます。

実際には、これに騎手の重量(70キロ)と馬具の重さ(70キロ以上)が加わります。
これらの要素を合わせることで、ばんえい競馬のレースでの負担重量が決まります。

負担重量の原則
①クラスが上がれば上がるほど重量が重くなります。
②年度末が近づくほど重量が重くなります。
③特別戦は、ここから+20キロか+30キロとなります。

3.9 手綱

手綱で馬を促す騎手

ばんえい競馬ではムチは使わず馬を促す際には手綱を使用します。
手綱の後端には重量物を取っ手にしばりつけているので、手綱を波打たせて尻に当てたり、たぐって尻を打ったりする程度となります。

4.ばんえい競馬の用語

「ばんえい競馬の用語」につきましては、以下の記事にて記載しておりますので、ご興味をお持ちいただけましたら合わせてご覧ください。

5.ばんえい競馬の歴史

5.1 北海道開拓において

北海道の開拓が進む明治時代以降、馬は重要な役割を果たす存在でした。
当時、馬の価格や力を試すために、2頭の馬に綱をかけて引っ張り合わせる競技が行われていました。
また、ソリに荷物を積んで馬に引かせる競馬も明治時代末期から行われるようになりました。

同時期に、フランスからペルシュロン種という馬の品種改良のための種が輸入されました。
これにより、軍の輓馬や農用馬の改良が始まりました。
特に、明治43年(1910年)に輸入されたイレーネ号は馬格の改良に大きく貢献し、帯広競馬場には彼女の銅像が建てられました。
ばんえい競馬は、こうした馬種改良の取り組みや、人々の楽しみから発展していきました。

5.2 公営競馬として

昭和21年(1946年)11月に公布された地方競馬法に基づき、平地競馬とともにばんえい競馬も公式に行われるようになりました。
和28年には北海道内に市営競馬が発足し、昭和41年からは平地競走は北海道競馬が、ばんえい競走は北海道市営競馬組合が行うという2分経営が確立されました。

これにより、ばんえい競馬の独自の開催が始まり、競走の内容も充実し、熱心なファンを惹きつけるようになりました。

6.おわりに

「ばんえい競馬」の記事を通じて、この競馬の魅力や特徴について紹介しました。
ばんえい競馬は、北海道を中心に行われる競馬であり、コースや出場頭数、レース展開、ゴールやセパレートコースの斜行などが重要な要素です。
馬場状態や負担重量、手綱の扱いもレースの結果に影響を与えます。
また、記事では用語や歴史にも触れ、読者に広く理解を深めてもらいました。
ばんえい競馬は、その独自の魅力とスリルがあり、多くの競馬愛好者や興味を持つ人々を魅了しています。
競走馬とソリが一体となった迫力ある競技は、観客にとっても圧倒的な魅力を持っています。
この記事が、ばんえい競馬の魅力を伝える一助となり、皆さまに新たな興味と楽しみを提供できることを願っています。

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