1.はじめに
競走馬の血統において注目される「奇跡の血量」について解説します。
「奇跡の血量」とは、競走馬のインブリードの一種であり、同じ種牡馬が父系の4代前と母系の3代前、またはその逆に交配されることを指します。
これにより、過去の名馬とのつながりが強くなり、優れた能力を持つ良血馬が誕生するのです。
本記事では、「奇跡の血量」の重要性やその血統を持つ名馬たちに焦点を当てて紹介します。
2.奇跡の血量
「奇跡の血量」とは、競走馬のインブリードの1つで、同じ種牡馬が父系の4代前と母系の3代前、あるいはその逆に交配されていることを指します。
このような馬には、過去の名馬が多く存在するため、その血量を持つ馬を「奇跡の血量」と呼んでいます。
3代前と4代前に同一の祖先を持つと血量がその祖先の18.75パーセントになりますが、このような馬は、祖先の血を受け継いでおり、その競走能力が高いとされています。
競走馬は両親(1世代前)から50%ずつ、祖父母(2世代前)から25%ずつ、曾祖父母(3世代前)から12.5%ずつ、4代父母(4世代前)から6.25%ずつの血を受け継ぐと考えられるため、4×3(3×4)なら産駒に表れる血量は18.75%(6.25%+12.5%)となります。
奇跡の血量が注目され始めたのは1960年のことです。
この年の皐月賞・ダービーを制したコダマがブランドフォードの4×3でした。
最近の例としては、オルフェーヴル、デアリングタクトなどが挙げられます。
(参考)オルフェーヴルの血量
オルフェーブルの以下の血統表を見てみますと、父方の4代目にノーザンテーストという名前が書いてあり、母方の3代目にもノーザンテーストという名前があります。
このように5代目までの血統表の中に父方、母方のほうに同じ馬の名前が入っていれば、インブリード(クロス配合)になります。
オルフェーブルの場合は、ノーザンテースト4×3のクロスとなります。
次に血量については、上記に記載のとおり、1世代前は血量50%、2世代前は血量25%、3世代前は血量12.5%、4世代前は血量6.25%、5代前は血量3.125%となることから、オルフェーブルの場合、ノーザンテーストの血量6.25%+12.5%で合計18.75%持っていることとなります。
引用:オルフェーヴル (Orfevre)の血統表 | 競走馬データ – netkeiba.com
※ちなみに、サンデーサイレンスとディープインパクトは、以下のとおりです。
・サンデーサイレンスはMahmoudの5×4のクロス配合となり、Mahmoudの血量を6.25%+3.125%で合計9.375%を持っています。
・ディープインパクトは、5代前に父方、母方に同名馬が一頭もいないアウトブリードです。
3.おわりに
本記事では、「サラブレッドの血統」における「奇跡の血量」の重要性やその血統を持つ名馬たちに焦点を当て解説してきました。
本記事を通じて、サラブレッドの血統に関する知識を深めていただき、競馬観戦の楽しみが一層広がることを願っています。
なお、「サラブレッドの血統についての基礎知識の紹介と配合についての簡単な解説」につきましては、以下の記事にて詳細を記載しておりますので、ご興味をお持ちいただけましたら合わせてご覧ください。